行動援護従業者養成研修は、全体で24時間です。内訳は講義10時間、演習14時間。演習のほうが長く、研修の中心は「聞いて覚える」ことより「場面を想定して考える」ことにあります。
この記事では、24時間で何を学ぶのかを、講義と演習に分けて整理します。あわせて、当講座(ベストウェイケアアカデミー)の進み方と、修了後に働くための条件もまとめます。ぼくはベストウェイケアアカデミーの馬淵です。制度の事実と、ぼくの見方は分けて書きます。
行動援護従業者養成研修の全体像
まず数字を押さえます。
| 区分 | 時間 | 当講座での受け方 |
|---|---|---|
| 講義 | 10時間 | 自宅で動画を視聴 |
| 演習 | 14時間 | 自宅からZoomで2日間(各日9:30〜17:30) |
| 合計 | 24時間 | 学校に来る必要はありません |
時間数は、研修を行う全国どこでも共通の枠組みです。違いが出るのは、受け方(通学かオンラインか)、日程、料金、サポートの内容です。何を学ぶかの骨格は、どの研修でも大きく変わりません。
科目と時間は、国が示すカリキュラムで決まっています。講義は4科目、演習は7科目です(科目名と時間は、都道府県が公表している行動援護従業者養成研修のカリキュラムより)。
講義10時間で学ぶこと
講義は、現場で判断するための土台をつくる部分です。科目は次の4つです。
| 講義の科目 | 時間 |
|---|---|
| 強度行動障害がある者の基本的理解に関する講義 | 2.5時間 |
| 強度行動障害に関する制度及び支援技術の基本的な知識に関する講義 | 3.5時間 |
| 強度行動障害がある者へのチーム支援に関する講義 | 2時間 |
| 強度行動障害と生活の組み立てに関する講義 | 2時間 |
扱うテーマを、大きく3つに分けて説明します。
1. 対象となる人の理解
行動援護の対象は、知的障害や精神障害により、自分で危険を回避することが難しい人、または行動上の困難がある人です。講義では、知的障害・発達障害・精神障害の特性、そして強度行動障害とは何かを学びます。
ここで大事なのは、「問題行動」を本人の性格や意図的なものとして見ない考え方です。行動には理由があります。感覚の過敏さ、見通しの持てなさ、言葉で伝えられないつらさ。そうした背景を読む視点を最初に身につけます。強度行動障害そのものの内容は、強度行動障害の記事でも整理しています。
2. 行動援護という制度とサービス
行動援護は、障害福祉サービスの一つです。外出時の移動中の支援や、日常生活の中での危険の回避、排せつ・食事などの介護を行います。講義では、制度の位置づけ、サービスの内容、他の居宅介護や重度訪問介護との違いを学びます。
支援者の倫理や権利擁護もここに含まれます。本人の意思を尊重すること、不適切な対応(身体拘束や虐待)を避けることは、行動援護の根本にあたります。
3. 支援の組み立て方
行動の背景を整理して支援計画に落とす流れを学びます。本人の特性や環境から、困りごとが起きる条件を探り、事前の工夫(環境の調整、見通しを伝える方法、コミュニケーション手段)を考える。そのうえで、危機が起きたときの対応も学びます。
考え方の中心は、行動が起きてから止めるのではなく、起きにくい状況をつくることです。
演習14時間で学ぶこと
演習は、講義で学んだ内容を、場面に当てはめて考える時間です。24時間のうち14時間を占めます。当講座では、Zoomで2日間に分けて行います。
演習で行うこと
演習では一般に、次のような作業を行います。
- 事例を読み、本人の特性と行動の背景を整理する
- 困りごとが起きやすい場面を予測し、事前の工夫を考える
- 外出の場面(移動、買い物、公共交通機関の利用など)を想定して、支援の手順を組み立てる
- 危機が起きたときの対応を、役割を決めて練習する
- 他の受講者と意見を出し合い、自分とは違う見方を知る
演習の科目は次の7つです。
| 演習の科目 | 時間 |
|---|---|
| 基本的な情報収集と記録等の共有に関する演習 | 1時間 |
| 行動障害がある者の固有のコミュニケーションの理解に関する演習 | 2.5時間 |
| 行動障害の背景にある特性の理解に関する演習 | 2.5時間 |
| 障害特性の理解とアセスメントに関する演習 | 2.5時間 |
| 環境調整による強度行動障害の支援に関する演習 | 3.5時間 |
| 記録に基づく支援の評価に関する演習 | 1時間 |
| 危機対応と虐待防止に関する演習 | 1時間 |
当講座の演習の進行の細部は、講座ページで案内しています。
演習が14時間ある理由
これはぼくの見方です。行動援護は、マニュアル通りに動けば済む仕事ではありません。同じ行動でも、人が違えば理由が違います。場面が違えば、取るべき対応も変わります。そのため、知識を持っているだけでなく、事例に当てはめて考える練習が欠かせません。演習の時間が長いのは、その練習量を確保するためだと考えています。
当講座の演習日の流れ
演習は各日9:30〜17:30です。休憩時間以外はカメラオンで参加します。朝から夕方までの1日なので、通信環境と、1日座って画面に向き合える場所を用意してください。
当講座の演習日程は次の通りです。日程は変わることがあるため、最新は講座ページで確認してください。
- 2026年11月 土曜コース:11/14・11/28
- 2026年12月 土曜コース:12/12・12/26
- 2027年1月 水曜コース:1/20・1/27
当講座の進み方
当講座は、大阪府指定の行動援護従業者養成研修です(指定番号は「行動援護1」)。講義は動画で、自宅で自分のペースで視聴します。演習は自宅からZoomで参加します。民間の学校では、大阪府で初めての開講です。
オンラインで資格が取れる仕組み自体は、オンラインで取れるかを解説した記事にまとめています。この記事では、中身の話に絞ります。
Zoomが不安な人へ
演習はカメラオンで1日行うため、Zoomに慣れていない人は不安になります。当講座では、演習の前に無料のZoom練習会を開いています。申込は不要で、所要は約1時間、入退室は自由です。入室の方法、カメラとマイクの設定、画面の見え方を事前に確認できます。
欠席したときの補講
仕事や体調で演習に出られないこともあります。当講座の補講は無料です。受講料とは別に費用はかかりません。補講の受け方は講座ページか、問い合わせ(電話・LINE)で確認してください。
受講料に含まれるもの
受講料は44,000円(税込)です。教材費と修了証の発行費を含みます。修了証を紛失した場合の再交付は5,500円です。他の研修機関の受講料は、おおむね3万〜5万円台の幅があるとされています。比較するときは、金額だけでなく、教材費や修了証発行費が含まれるか、補講に費用がかかるかを確認してください。なお、複数名で申し込んでも割引はありません。
修了しても、すぐには従事できない
研修の24時間を修了しただけでは、行動援護の仕事には就けません。ここは誤解の多い点です。行動援護従業者養成研修(または強度行動障害支援者養成研修の基礎研修・実践研修)の修了に加えて、知的障害者・知的障害児・精神障害者の直接支援業務の実務経験が必要です。
| 職種 | 知的・精神障害の実務経験 |
|---|---|
| ヘルパー(従業者) | 1年以上かつ180日以上 |
| サービス提供責任者 | 3年以上かつ540日以上 |
※豊中市「サービス提供責任者(行動援護)と行動援護従業者の資格要件について」より。最終的な判断は、事業所を指定する自治体(指定権者)が行います。実務経験にどの業務が数えられるかも、自治体で扱いが異なることがあります。最新は公式資料で確認してください。
無資格・未経験でも、当講座は受講できます。ただし、働く段階では実務経験が問われます。経験が足りない人は、先に研修を修了して、実務経験を積みながら要件を満たしていく進め方もあります。修了後の仕事の流れは、修了後の仕事を解説した記事を参照してください。
受講前に準備しておくこと
演習が長丁場なので、準備の差が当日の負担に出ます。
- 日程を確保する。演習は朝9:30から夕方17:30までです。2日とも空けておきます。
- 通信環境を確認する。カメラオンで1日つなぐため、安定した回線が必要です。
- Zoom練習会に出る。操作に不安があれば、練習会で事前に慣れておきます。
- 動画の視聴時間を確保する。講義は10時間分あります。演習日までに見終える計画を立ててください。
- 職場の事例を思い浮かべる。現場経験がある人は、自分が関わった利用者の場面を思い出しておくと、演習の理解が深まります。経験がない人は、講義の事例で十分です。
研修内容で比べるときの見方
24時間・科目の枠組みは共通なので、研修機関を比べるときは次の点を見てください。
- 受け方:通学か、オンラインか、組み合わせか
- 演習の方法:対面か、Zoomか。カメラの扱い
- 日程の選びやすさ:土曜、平日の設定があるか
- 費用の範囲:教材費、修了証発行費、補講費が含まれるか
- サポート:システムに不安がある人への事前練習の機会があるか
- 指定:その自治体の指定を受けた研修か
修了証が使えるかどうかは、研修が指定を受けているかで決まります。申し込む前に、指定の有無を確認してください。当講座は大阪府の指定を受けています。大阪での研修選びは、大阪の行動援護研修の記事でも整理しています。
申込・日程の確認
当講座の日程、申込方法、演習の詳細は、講座ページで案内しています。日程は変わることがあるため、最新の情報を確認してから申し込んでください。
よくある質問
Q. 24時間の内訳は、講義と演習のどちらが多いですか。
演習です。講義が10時間、演習が14時間です。事例に当てはめて考える時間のほうが長い構成になっています。
Q. 科目ごとの時間は、どこで確認できますか。
国が示すカリキュラムで決まっていて、講義は4科目・10時間、演習は7科目・14時間です。この記事の「講義10時間で学ぶこと」「演習14時間で学ぶこと」に表でまとめています。
Q. 無資格・未経験でも内容についていけますか。
当講座は無資格・未経験から受講できます。講義は動画で、自分のペースで繰り返し見られます。演習は事例を使って進むため、現場経験がなくても参加できます。ただし、修了後に従事するには実務経験の要件があります。
Q. 演習を欠席したらどうなりますか。
当講座では補講が無料です。ただし、補講の受け方や日程は、講座ページか、問い合わせ(電話・LINE)で確認してください。
Q. Zoomを使ったことがなくても受講できますか。
受講できます。演習の前に、無料のZoom練習会があります。申込は不要で、約1時間、入退室は自由です。練習会で操作を確認してから演習に臨めます。
まとめ
- 行動援護従業者養成研修は24時間。講義10時間、演習14時間です。
- 講義では、対象となる人の理解、制度とサービス、支援の組み立て方を学びます。
- 演習では、事例に当てはめて、行動の背景を整理し、支援を考えます。演習のほうが長いのは、考える練習量が必要だからです。
- 科目は、講義が4科目(10時間)、演習が7科目(14時間)です。
- 当講座は、講義が動画、演習がZoom2日間(各日9:30〜17:30)です。受講料は44,000円(税込)で、教材費・修了証発行費を含みます。補講は無料です。
- 修了だけでは従事できません。ヘルパーは実務経験1年(従事180日以上)、サービス提供責任者は3年(540日以上)が一般的な基準です。最終判断は指定権者で、最新は公式資料で確認してください。
日程と申込は、講座ページで確認できます。

